Organic Learning
オーガニックラーニングは、頭の中の理解だけではない「全身心的」な学びであることと、他者との共感的な繋がりがそこにあるということが特徴です。共感に溢れた全身心的な学びのスタイルは、子どもたちの意志・感情・認知・思考・体といった人間の全体性を、有機的に育んでいきます。あめつちのいえで取り組むオーガニックラーニングは、全身心を働かせる様々な活動を子どもたちとスタッフとが共に並び、一緒になって生き生きと無心に楽しむ中に生まれていきます。ただの知識(記号)の獲得ではない、限りなく豊かな体験に囲まれた子どもたちの全的な成長は、子どもたちの内に、消えることのない成長への、そして生きていることへの純粋な喜びを灯し続けることでしょう!
Body & Mind & Soul
全身心
オーガニックラーニングの特徴は、頭の中だけの理解に止まらない、「全身心的」な学びであるということ。そして、そこに他者との共感的な繋がりがあるということです。
例えば赤ちゃんが「すべり台」という言葉を覚える時、赤ちゃんはただ単に言葉を記号として(頭だけの理解として)覚えるのではなく、すべり台をスーっと滑っていった時の爽やかな身体感覚や、母親から抱き止められた時の心地良さや声の響き、そうした全ての身体感覚や共感的感情、言葉かけとが渦巻く中で、一つの言葉を覚えていきます。
子どもたちもまた同じです。家族と楽しくカルタ遊びをしたこと、愛する人に初めて手紙を書いたこと、森の中でドングリを拾い数を数えたこと、そうした全身心な取り組みの中には、無限とも言える無数の豊かな記憶やイメージ、好きな人と時間を共にした楽しい感情、目や耳、頭、体を一生懸命動かした体験があります。そうした全ての豊かな土壌から、自然と見る力や聞く力、記憶したり想像する力、意志や感情、思考などの様々な心の働きを学び、そうして限りなく豊かなものを含んだ形で一つの平仮名や数字、概念を(ただの記号ではなく)生きた知識として獲得し結実していきます。
オーガニックラーニングで学び取るものは、机の上で学ぶ記号とは違い、実に豊かなものなのです。あめつちのいえでの活動は、様々な全身心的な遊びや生活体験に溢れています。そしてそこに共感的な他者が存在することで、子どもたちは自然と深い学びを体験し、成長することの純粋な楽しさと喜びを、失わずに保ち続けることができるのです。
Real - Experience
原体験
オーガニックラーニングの特徴は全身心的であり共感的なものであること。別の言葉で言えば、それらは人間にとっての「原体験」と呼びうるものです。子どもの頃に、家族や友人たちと良く川へ出かけました。体中の全てを洗い流してくれるかのような冷たい川の流れの中に頭まで浸かり魚を追ったり、網を片手にトンネルの中を探検しザリガニや魚を捕まることを工夫しました。捕まえた魚を家族や友人と見せ合い喜び合ったり、捕まえた魚を家に持ち帰り水槽で大切に育てたりした思い出が今でも残っています。
原体験の特徴として、シュタイナー教育家広瀬俊雄による4つの特徴を挙げてみます。
1. 驚きや楽しさ、感激、感動といった、心のなかの「感情」の領域を育て成長させるということ。
2. 原体験によって驚きと感動を持つと、楽しさや面白さが生じ、この楽しさや面白さは「意欲」を育て、事物への「関心」や「興味」といった力が育つということ。
3. 原体験は五感と四肢を用いて対象と関わることであり、それゆえ子どもをごく自然に考えることへと導き、子どもの思考活動を活発にするということ。
4. 言葉や映像で学んだ事柄を真の意味での理解へと導き、学んだ知識を「生きた知識」にするということ。
以上、原体験は物事を学ぼう、成長しようとする、子どもたちの根源的な欲求であり、子どものたちの最も自然な姿であると考えます。
Mushin
無心ということ
今年で小学1年生になったばかりの娘がおります。幼児期の後半にさしかかり、自我もしっかりと育ってきた頃、ある時、教育的にと言いながら親の考える育ち方を無意識に投げかけている自分に、強く気づかされたのですね。子どもが生まれて一緒に遊べるようになり始めた2,3歳の頃、子どもがやることなすこと、何でも喜んで見ていた自分。机に手をかけ立つを覚えれば手を叩いて喜び、歩くことを覚えれば先へ行って両手を広げて抱きしめ、鉄棒にぶら下がることも、タンポポの綿毛を飛ばすことも、不思議な動きをする昆虫に目を見張ることも、まるで、子どもとぴったりと息が合わさって、共に体験しているかのように時間を過ごしていた自分を思い出し、ああ、あの時の自分のままで良かったんだと、深く思い直した事がありました。
教育的指導、注意、教示ということも何もないのに、気がつけば、子どもは自然と、生きていく上で必要なこと全てを身につけているのですね。無心に、共感的に、ただただ子どもと過ごしていただけなのに、子どもにとってはその事が、成長への大きな土台となっていたのです。
あめつちのいえでは、子どもたちと共に並び、無心に、共感的に、たくさんの原体験を体験していきます。五感を目一杯働かせる自由な遊びはもちろん、畑や花植え、焚き火や野外調理、川や山へ出かけて遊ぶこと。竹や木材を使って玩具や楽器、生活用品を作ってみること。
そして何より、子どもたちが自分でやりたいことをやり始め、それらが全て成長に繋がっているという自然の姿をそのままに、子どもたち皆んなが決める「あれがしたい!」「これがやりたい!」をサポートし共に楽しみます。